今年の当社の年賀状のテーマを
「普通」ということ・・ と据えた。
何をもって「普通」とするかを考えるのは難しくもあり面白くもある。
<父の詫び状とオミクロン>
向田邦子さんの平明な文章は魅力的。
「父の詫び状」は昭和の人生模様が見えて懐かしい。
自分の両親とは重なる部分はそう多くはないが、
父への反発や家族の絆を書いているところは重なる。
新年改めて家族の健康を考える。
特別でなくていい「普通」で・・。
この小説のあとがきに向田邦子さんは
ー厄介な病気を背負い込んだ人間にとって一番欲しいものは
「普通」ということであるーとある。
中国で未知のウイルスが確認されてから
社会全体が厄介な病気を背負いこんで2年
普通の風邪というものがどういうものだったか思い出すのに時間がかかる。
オミクロン新株は毒性が高くないとの報告があるが
第6波が押し寄せている。
普通の風邪になってしまって厄介な思い出になっていないといい。
<ビートルズ>
ビートルズが世に出た頃、不良が聴く音楽として非難された。
多分私は中学生になり立て 親に部活と嘘をつき 指導部の先生にわからないように映画を見に行った遠い記憶がある。映画館で先輩と出くわした。
ビートルズの悪行やエピソードは結構あると聞くが、
今や彼らは英国でサーの称号が付くアーテイスト達。
世界中がビートルズを普通に聴いて楽しんでいる。
戦後の公団住宅
義兄が名古屋の住宅公団で長く設計をやっていた。
この業界に入って仕事が面白くなってきたある日、生意気にも義兄に
「日本の住宅事情を悪くしたのは公団のせいだと思う」と力説すると
すかさず義兄は
「今こうして何とか平均的に
国民が住まうことができているのは公団のお陰」と。
画一化された住まい方は普通に定着してしまい、
なかなか崩せない現実もある。
時の流れとともに
暮らし方の形は違っていくだろう コロナ禍を機に。
「普通」ということをよく考えてみたい。
時を戻そう というお笑い芸人さんのワードが昨年流行った。
たくさんの人たちと顔を合わせ、話をし 大いに笑って
時には大いに飲んで もちろんマスクはない!
そんな 普通に戻れたらいい。
楽しいアイデアがいっぱい湧いてきそうだから・・新年に。
2022 1月9日 長塩小夜子